ひつじ男の話

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スターとの共演で知らされる東野幸治のタレント力

皆さんはタレントの東野幸治さんについて、どのような印象を持っているだろうか。

 

芸能界には、様々なポジションがある。

特にわかりやすいのは、バラエティー番組だ。
まずMCがいて、その横にアシスタント。ひな壇のもっともMCに近いところには、ベテランが座り、その横にはかわいいモデルやアイドル。後ろや端には若手の元気がいい芸人が、遠くから話に割り込む。そして、それらを影で回す「裏回し」と呼ばれる地味ながらも経験が必要なポジションもある。

東野さんは世間からは、芸能界で誰もが憧れる大スターというポジションではないと見られているだろう。

基本的、彼の隣には必ずスターがいる。
(これは関東圏での印象で、関西圏や中京圏では少し事情が違うかもしれない)

東野さんは1967年の兵庫県宝塚市出身。
高校生のころに吉本興業のオーディションを受けて合格。ダウンタウンの出世番組である「4時ですよ~だ」などに出演。
ダウンタウンの東京進出に続き、東京でも活躍の場を広げた。

私がまず、彼のタレント力を見せつけられたのが、毎日放送の「ごぶごぶ」だ。

この番組はダウンタウン浜田雅功さんと東野さんが関西圏の街をぶらぶらする番組。もはや芸能界の重鎮である浜田さんがロケを行うというのが珍しいが、ここでの浜田さんはまさに傍若無人

駅のホームのベンチに座っている女子高生が食べているパンを奪い取ったり、他局のビルに乱入したり…とりあえず、これらはDVD化されているので、ぜひ見てほしい。

そんな浜田さんの横で東野さんは常にオロオロしていた。

ただ、笑いはこの東野さんがオロオロしているところで起きる。

そう考えると、この「ごぶごぶ」の笑いにおいて、実はもっとも重要なのは、傍若無人な振る舞いをする浜田さん以上に、東野さんのポジションなのではないかと感じてしまう。
東野さんと浜田さんの関係性が笑いのキモであったので、東野さんが番組をはずれると、番組の方向性は変わっていってしまった。


続いて、東野さんの出演作で印象的なのは、日本テレビの「旅猿」である。
これはプライベート感満載でナインティナイン岡村隆史さんと東野
さんが海外、国内を旅行する番組。ここでの東野さんは「ごぶごぶ」とは真逆のキャラだ。

ロケ中、東野さんは嫌なことにはあからさまに嫌な態度をとる。

そんな態度に岡村さんがオロオロすることもある。

これを

「目上にはへつらい目下には偉そうにする」

と言うのは簡単だ。

ただ、浜田さんは後輩をオロオロさせることで、その個性が浮き立ち、岡村さんは必要以上に先輩に気を使っていることで、好感度が高まる。

東野さんは、浜田さんと岡村さんという、それぞれのスターに別の対応をすることで、スターの魅力を引き出させているのではないかと思うのだ。

ただ、この東野さんの力量は、業界内では知らないが一般人の間で話題になることは少ない。

人知れず、スターの魅力を引き出す職人技を東野さんから感じる。

 

 

ちなみに、スタート共演していなくても東野さんが面白いことも付け加えておきたい。

東野さんはユーチューブでラジオ番組もはじめている。気になる方はチェックしてほしい。

 


【第1回】東野幸治がYouTubeを始めたいくつかの理由